令和2年、コロナ禍の時にご相談をいただいたこちらの案件をご紹介させていただきます。
奈良県は吉野郡 神秘的な秘境 川上村という所にあります。 水源地の村としても注目されています。
現在はダム湖で沈んでしまった川。 昔は綺麗な川が流れ、魚釣りや、川遊びで人があふれていたようです。
そんな方たちの憩いの宿として長年経営をされていた民宿、こちらが今回のリノベーション案件です。
大黒柱のご主人が他界され民宿を廃業。後継者がないまま現在の厨房と食堂で生活をされているお母様の
様子を観、ご家族様が決断されました。
「土間のままでは冬は寒いし段差が多い。 隣接した住居とバリヤフリーにし安全に生活できる空間へ」
約半年にかかる打ち合わせを重ね、リノベーション工事がスタートしました。
隣接した住居との段差は、鋼製束と吉野川上産の桧材を使用し床組をしていきます。
川上産の桧や杉は年輪が細かく強度があり住宅資材には最高に適してると感じます。
冷え症だというお母様の為に床下断熱材は厚み40㎜の物をしきつめました。
床ができれば、やれやれです。 歩くのも楽になり快適です。
次は、壁と天井の工事へと移っていきます。そこで登場する機械が「レーザー」という物。昨年新調した新人です
水平・垂直・直角をグリーンのラインで一瞬にして表示できる優れもの。リフォームには欠かせません。
こうして正しいラインを出し、新しい壁の骨組みを建てていきます。
なんとなく部屋の雰囲気が感じれるようになってきます。水道・電気・ガス類の仕込み作業もこのころには
完了していて、次は耐火ボードやベニヤ・パネル類の施工へと移っていきます。
今回リフォームのもう一つのポイントは・・・完成後の家具類の購入、設置をどうするか?という事
1F店舗部分は鉄骨柱の為、デコボコが多い・・・「 既成品で見つかるか?」と悩んでおられました。
「だったら!現場で作っちゃいましょうよ!」とご提案させていただきました。
弊社の嶋さんは昔、家具屋で働いていた経験も有り目を輝かせながら造作に取り組んでくれます
加工が終わり、取り付けへと移っていきます
手作り家電収納スペースの形が見えてきました。棚板は、お好きな高さに調整可能な稼動レールを採用しました
板の表面にはウレタン塗装をし、汚れ対策と強度upをはかりました。塗装は私、森尾がいたしました。
嶋さんが家電収納をつくっている間、私はあるものを再利用しお母様に必要かと思う物を作りかけて
いました。
以前、食堂で使われていた桧板の棚板。これを踏み台に再利用していただきましょう!
勝手口の段差は約35~40㎝のままでしたので、少しは快適になるだろう!
こちらもウレタン塗装をし設置いたしました。合わせて、以前使用していた手すりも再利用させていただきました。
この二つの作業はお母様には知らさず、サプライズでさせていただきました。 すると・・・
本工事よりも、大変喜んでいただき 作戦大成功となりました。 良かった。
こうして、約1か月程度の工事期間で、安心で安全、快適なお母様のダイニングスペースが完成いたしました
追伸、となりの食堂室だった空間は今後、「家に来て下さる方々へオープンスペースやシェヤスペースとして
活用できたらいいな~」とおっしゃるお母様。夢や楽しみへとつながってくれそうなので今後が楽しみです。
御用命頂きまして誠にありがとうございました。
代表 森尾 崇